佐藤クラシックギター工房訪問記

先日、今私が使っている佐藤クラシックギターの工房へお邪魔してきました。色々とお話を伺ったので備忘録として書いていきます。

佐藤クラシックギター工房訪問記6

前ブログ(ローズウッドとハカランダについて)の続きです。 ハカランダはアメリカ大陸発見後、インド産ローズウッド(インディアン・ローズウッド)の 代替材として北米を中心に家具などに使われはじめ、1960年以降ブラジル政府が、国内の木材 加工産業の発展と保護のため原木の輸出を規制したことにより価格が高騰。さらに1992年にワ シントン条約の絶滅危惧種レッドリストI)に登録されたために、その希少性が高まり、最も 高価な木材の一つになった。特に日本のギター業界では、ハカランダを使っていれば、高価= 音が良いと広く認識されているところがある。しかしハカランダは、あくまでブラジルの一部 地域で産出されるローズウッドであり、他のローズウッドと植物学的には変わらず、ハカラン ダが最上の材料であるという考えは、おそらく楽器メーカーや販売店のセールストークによる ものだと考えられる。実際、インディアン・ローズウッドとハカランダの板を叩いて音を比較 すると、インディアン・ローズウッドが「コンコン」という深みのある音に対して、ハカラン ダは「カンカン」というやや金属的な硬い音がする。これらのどちらが優れているというもの ではなく、これは音の好みによる違いと言える。またヨーロッパでは、古くからハカランダが 使われてきたために、インディアン・ローズウッドより優れていると言う意見もあるがが、こ れは単に、南米がかつてスペインやポルトガルの植民地であり、インドより輸入しやすかった というだけではないだろうか。